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PROMETAM 誕生の背景
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概要
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ホンジュラスでは初等教育の総就学率が90%を超える一方、その修了率は60%代に止まり、教育内部効率の低さが課題となっている。その原因として、とりわけ教員の学力・指導力不足が決定的な要因として指摘されている。
同国では、協力隊事業を中心に、「算数プロジェクト」という名称で1989年から2002年までの13年間のべ58名の小学校教諭隊員が活動を行い、のべ20,000人のホンジュラス教員に対し教員再教育を行ない、ホンジュラスサイドから高い評価を受けてきました。「算数指導力向上プロジェクト」は、そのような背景から生まれました。
プロジェクトの活動は、教員用授業指導書と児童用作業帳の開発、そしてそれらを用いた教員研修です。教材の開発には、専門家、シニアボランティア、協力隊員が関わり、ホンジュラスサイドの関係者と1学年あたり、のべ5,000時間あまりかけて試作します。研修は大学の講義として合計440時間実施し、大学は26単位を認定します。研修受講者は他の教科も含めた一連の大学プログラムを修了することで、大学卒業資格の取得できます。
プロジェクト自体は、技術協力プロジェクトスキーム適用前の昨年度(2002年度)よりすでに実施されており、実施主体である教育省、教育大学は、研修モニタリング、教員の学力・指導力テストの結果を通してその成功を確信し、今後、新規教員養成課程と教員再研修システムを通して、プロジェクト開発教材、指導法を全国展開することを計画中です。
これにより、プロジェクトの成果は、全国38,000人の教員と120,000人の生徒に裨益することになります。
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旧算数プロジェクトのまとめ
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- 1989年~2002年の13年間協力隊員により実施された
- 対象県は全国12県
- 参加隊員数はのべ58名
- 研修受講教員はのべ20,000人
- 活動: 講習会、講習会参加教員のうち希望者に対する授業観察、教員の自主研修グループの育成、教材作成
- 成果品:指導書、問題集他
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旧算数プロジェクトの反省と教訓
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- 国定教科書と異なる指導法
- 戦略、計画、評価における一貫性の欠如
- インセンティブの欠如
- プレゼンスの欠如
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プロジェクト形成におけるポイン
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- 教員の実態を踏まえた教材開発、指導法の開発
- 研修をフォーマル教育化することでインセンティブを強化(大学の講義化)
- 教育省の財源に左右されない
- 協力隊スキームの活用
- 現地主導
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プロジェクト形成における留意点
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- 独自データに基づいたアカデミックな分析結果を提示する
- 教育省、教育大学との強い信頼関係と緊密な連携の構築
- 隊員と小まめな情報交換とマネージメント
- 徹底したJICA事務所のバックアップ
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