PROMETAMで目指す授業
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ホンデュラス初等教育レベルの教員の現状から、問題点として上げられたすべてのポイントを改善できるような方策の考案、実施は容易なことではない。同国の教育を取り巻く事情からも、協力を行う我々側の限界からも、日本で考える理想的な状況を目指すことは不可能に近い。しかし、子どもの学力を少しでも高め、高い留年率を引き下げるためには、最低限、以下のようなポイントは押さえて行かなければならないと考えられる。
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- カリキュラムで指定されている内容をすべて教える。
- 誤りは教えない。
- 子どもに考えさせる指導を行う。
- 複式の問題も含め、子どもの学習活動を保証する。
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そのためには、自主的に指導計画を立てる意欲のない教員でも、多少知識が不足する教員でも、カリキュラムに基づいた年間計画、単元計画、授業計画が適切に構成され、系統性のある個々の授業が展開できるように工夫された指導書を準備する。そして、教員の活動を補助し、子どもの学習活動を促進する作業帳を開発する。さらに、指導書、作業帳の内容、意義を理解し、実際に教室の中で指導書の授業案に沿った授業ができるようにするための研修を実施する。
結果として、PROMETAMを受講することで、授業が次のように改善されることを狙う。
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○ 授業が計画的に行われる |
- カリキュラムで決められた分野が網羅される。
- 年間計画、単元計画、授業計画に添う。
- 時間配分が適切になり、だらだら、積み残しがなくなる。
- 授業における主要発問が明確になる。つまり、本時目標が明確になる。
- 系統性がある。
- 授業時間が一定する。
- 各学年で習得すべき基礎が身につき、上の学年に上がっても、つまらないところでひっかからない。
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○ 伝達方式の授業から脱却する |
- 教師の説明時間が適切になり,子どもの能動的な学習の(練習問題に取り組む)時間が確保される。
- 子どもの発言、活動(作業帳の問題を解くことを含む)が主体の授業となる。
- 各授業がいくつかの段階に分かれた、単調でないものになる。
- 誤ったことを教えない。
- 教師が自信を持って教えられる。
- 詰め込み、暗記が少なくなる。
- 子どもが楽しそうになる。
- 機械的に教えるのではなく、原理を理解させる。
- 子どもが間違えたときに、その場で「違う!」と即答せず、考える機会を与える。
- 「なぜ」と、子どもに返せる。
- 発問が一問一答ではなく,『考えさせる』ための発問になる。
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○ 授業技術が向上する |
- 練習問題のやらせ方が適切になり、練習量もある程度確保できる。
- できる子どもをうまく活用できる。
- 学習形態に多様性がでる。
- 教材、教具の利用目的を知り、適切に使える。
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○ 評価が適切になされるようになる |
- 子どものノートや行動を見て、日々の確認ができる。
- 子どもの理解度を把握できる。
- 問題に対する正誤にだけこだわらず、子どもの間違いを指導の情報として活用する。
- 分からない子どもに個別指導ができる。
- 評価が客観的になる。
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