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PROMETAM近況報告
2004年11月7日
チーフアドバイザー
關谷武司
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2004年度第2四半期報告
1. プロジェクト進捗状況概要
2. 教材作成
3. 教員研修
4. 中間評価団来ホ
5. 他国からの要請
6. その他
2004年度第3四半期予定
1. 教材作成
2. 教員研修
3. 教材全国配布にともなう教員研修
4. その他2004年度第2四半期報告
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1.プロジェクト進捗状況概要 |
2004年7月から2004年10月にかけては、教材作成が5、6年生版教員用指導書、児童用作業帳の試用版作成・印刷を終え、検証作業を行いながら現在デジタルデータの見直し中。研修は、PFCプログラムの後半2年にあたるLicenciatura(大卒資格)コースの1コマ目の算数科目を終了。
国内では、カナダの資金提供で教材全国配布を実施するために国際入札が行われる一方、スペインが自国協力プロジェクトにPROMETAMの教材と指導法を採用。ドナーミーティングなど活発であると言われるホンジュラスにおいても、実際のプロジェクトで複数のドナーが協力する体制となっているのは初めて。また、国外からは、チリやエル・サルバドルから研修要望が届いたり、メキシコから他援助団体の評価団が訪れたりし、国内や日本からの来ホ者も多数に上っています。9月末には同国で非常に高い視聴率を誇るテレビ生番組にも教育省次官、教育大学学長とともに出演し、PROMETAMの成果について有効な広報となりました。プロジェクトのインパクトは拡大の一途をたどっています。
しかし、ここにきてまた大きな頭痛の種が・・・。9月末日、教育省大臣の交代劇がありました。現政権残り1年余りとなったこの時期の交代は非常に政治的な意図が強いと考えられ、来年実施される大統領選へ向けた政治活動が活発化するものと苦慮されます。すでに何度か新大臣とやり取りをしていますが、まさに・・・。PROMETAMは現時点ではEFAの流れの中でも主流を歩んでいるため、この先も大きな弊害をこうむることはないと思われるものの、人事異動など、荒波の中慎重な舵取りが必要となってきます。
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2. 教材作成 |
木村先生を筆頭にPROMETAM教材作成班は、前大臣との約束を見事に果たしてくれました。2005年全国配布を念頭に、カナダが行う国際入札に間に合う形で、5,6年生版指導書、作業帳を期日の8月末に仕上げました。時間がなかったにもかかわらず、作成班一丸となった成果品の出来栄えはすばらしく、学年を追うに従い、内容も見栄えもますます磨きがかかっています。ぜひ一度手にとってご覧頂き、教材班へお言葉をいただければ幸いです。 |
3. 教員研修 |
PFC研修Licenciaturaコースの1コマ目の研修が終了しました。今回から新しくコマヤグア県ラ・リベルタ地区、バジェ県ナカオメ地区が加わり、佐藤シニアの初仕事となる調整は大変でした。しかし、彼の頑張りと何より主役の隊員の皆さんの奮闘で、Licenciatura初回の研修も好評のうちに幕を閉じることができました。この研修の前にはダンリ地区にて隊員の自主的な事前研修会が行われましたし、研修中もナカオメにて公開研修が行われました。合格教員数は229名でした。新隊員も加わり、PROMETAM隊員はこれまでで最高の20名に達しました。
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4.中間評価団来ホ |
8月23から9月8日まで、日本より中間評価団が来訪されました。短い時間の中で多くの関係者とインタビューや会合を重ねられ、実際に隊員が行っているPFC研修の現場も視察されましたし、学校現場の授業も観察されました。これらを通して、評判の上がってきたPROMETAMの成果を改めて評価くださり、ほっと安心いたしました。 |
5. 他国からの要請 |
ここのところ、西方専門家、岡村企画調査員が頑張って準備しておられる広域案件の影響で、ホンジュラスの外から教材の提示依頼や研修実施依頼などが寄せられるようになりました。チリからの研修要請には木村専門家が出向き、エル・サルバドルからの研修要請にはピンチヒッターで西方専門家にお願いしました。同じくエル・サルバドルからの教材提示にもお応えし、まず1年生版をお渡ししました。メキシコからは二度にわたり教育関連の財団が、中南米地域の教育プロジェクトの評価として、PROMETAMをベスト3の調査対象に選定して、来訪されました。本当に嬉しいことですが、あまりに忙しすぎて悲鳴に変わりつつあるのが辛いところです。 |
6. その他 |
教育省、教育大学による隊員への感謝会:7月8日に、すでに恒例となっている相手側からの帰国隊員への感謝会が行われました。今回、贈られたのはダンリで活躍してくれた北野隊員です。ご苦労様でした。そして、ありがとう。
公開授業:6月に日本へ研修に出たダンリ地区教育委員長のDilma女史とグイノペ地区PFCコーディネーターのZoila女史が、日本で見た公開授業に触発されて、それぞれの地元にて公開授業を行いました。たくさんの参加者の前、授業者の先生は緊張された様子でしたが、この先がとても楽しみな活動です。がんばれ~!
PROMETAMがTV生番組に:この国で非常に視聴率の高い朝7時から8時までのFrente a FrenteというTV生番組にPROMETAMが招かれ、Elia次官、Ramon教育大学学長と出演してきました。この国の算数教育の問題点、PROMETAMの活動、成果品である教材などの紹介を行いました。その日は、一日中どこへ行っても「テレビ見たわよ。カッコよかった!」って言われましたが、「内容はきちんと伝わったのかしら!?・・・」。
在エル・サルバドル細野日本大使来訪:なんと光栄なことに、お隣のエル・サルバドルより細野大使がわざわざPROMETAMの視察に訪れてくださいました。大使は大きくは教育セクターの問題から算数教育への協力のあり方まで、実に的確なご質問を立て続けになされ、対応したINICE所長も我々専門家もたじたじするほどでした。「PROMETAMの教材はまさに宝だ」という言葉を頂き、感無量でした。ありがとうございました。
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特記事項(主な来訪者、行事等) |
2004年7月8日 |
教育省、教育大学による隊員への感謝会 |
2004年8月12日 |
メキシコから調査団来訪 |
2004年8月17日 |
5年生版教材提示イベント |
2004年8月20日 |
公開授業(ダンリ) |
2004年8月23~9月8日 |
中間評価団来訪 |
2004年9月8日 |
メキシコから調査団再来訪 |
2004年9月22日 |
公開授業(グイノペ) |
2004年9月24~26日 |
全国教材配布研修(全国レベル講師) |
2004年9月27日 |
テレビ生出演(Frente a Frente) |
2004年9月27日 |
Ing.Carlos Avila大臣送別会 |
2004年10月6日 |
在エル・サルバドル細野日本大使来訪 |
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1. 教材作成 |
目下、6年生版教材検証、手直しを進めており、それが終わり次第、一息入れるまもなく、引き続き1年生から3年生版の手直しにかかります。4年生版以降のスタイルに統一する作業になります。また、12月からはホンジュラスカウンターパートチームが現行PROMETAM教材班に合流し、7,8,9年生の教材作成に取り掛かります。大変ですが、11月末には阿部さんも長期専門家として戻ってきてくれますので、とにかく頑張ります。 |
2. 教員研修 |
こちらも休む間もなく、PFC研修Licenciaturaコース、2コマ目「4年生版」研修が12月より始まります。すでに佐藤シニアは調整を進めており、隊員の皆さんも研修準備に取り掛かっています。そのころには、「算数教育」のシニア隊員も到着の予定で、より充実した研修実施を目指します。 |
3. 教材全国配布にともなう教員研修 |
現在、INICEではスペインと連携して、教材全国配布にともなう教員研修を計画中です。これはただ単に教材を届けるだけでなく、より有効な教材利用を目指した研修で、すでにINICEにて36名の全国レベル指導者養成が木村先生を講師として実施されました。残念ながら、政府側の決断が遅く、全国展開のスケジュールが見えてこないのですが、スペインの後押しで、コロン県での県レベル指導者養成がパイロット的に行われ、間もなく、コロン県リモン地区にて一般教員対象の研修も実施予定です。これを教訓として、全国展開の実施へ向けて加速させる計画です。 |
4.その他 |
2004年11月9日、木下JICA中南米部長と橋本JICA理事長室長が来訪されます。
2004年12月13~15日、あの有名なテニスプレーヤーでJICAオフィシャルサポーターの伊達公子さんが来訪されます。 |
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