PROYECTO MEJORAMIENTO EN LA ENSEÑANZA
TÉCNICA EN EL ÁREA
DE MATEMÁTICA
(PROMETAM)
ホンジュラス算数指導力向上プロジェクト
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PROMETAM近況報告
2004年7月11日

チーフアドバイザー
關谷武司

内容
2003年度第4四半期、2004年度第1四半期報告
1. ホンジュラス教育分野全体の動き
2. プロジェクト代表交代
3. 合同調整委員会
4. 教材作成
5. PFC修了式
6. 指導者研修会
7. 短期専門家来ホ
8. 調整員、シニア隊員赴任
9. 本邦C/P研修
10.その他イベント
第2四半期予定
1. 教材作成
2. PFC後半コース開始
3. 指導者研修会
4. 中間評価
その他

2003年度第4四半期、2004年度第1四半期報告
1. ホンジュラス教育分野全体の動き
大きなトピックは2つあります。ひとつは2005年からの教材全国配布へ向けた政府やドナーの動き。もうひとつは教員組合によるスト。
 2003年9月に公表された新国家カリキュラムを具現化する教材開発は、2004年全国配布を目指して、世銀雇い上げコンサルと教育省カウンターパートにより進められた。ゆえに我々PROMETAMは、算数分野の担当する学年などのすり合わせが必要であった(1年生から3年生版までの指導書と作業帳に決定)。我々は約束を果たしたものの、世銀コンサル側は作業がまったく間に合わず、政府は2004年の全国配布を見送る。2005年こそはと、EFAとの絡みで予算調整が進められたが、この場でも世銀コンサル側の成果物は質云々の前に、まず量的にもカリキュラム全体の2割程度の内容しか網羅していないことが判明(我々は把握していたのに、政府が知らなかったとは!?)。現在は、メキシコからのオファーを受け、ホンジュラスの新カリキュラムに合わせるようメキシコの豊富な教材を両国の技術担当者たちで調整改編することに。教育大学や教員組合からは、自国の基礎教育の国定教材をそのように他国のものの改編で間に合わせようとする政府の姿勢に大反対。算数の教材がPROMETAMであるのに対し、国語はCETTというアメリカのプロジェクトが提供することになっていたがこれも脱落(進度が間に合わない)。結局、ホンジュラスオリジナルはPROMETAMだけ。カナダ出資により、4年生版までの指導書と作業帳を全国配布することは決まり、カナダ側はすでにその作業に入ったが、PROMETAMでは大臣との約束どおり、6月一杯で5年生版を仕上げ、目下8月末を目指して6年生版を作成中。教育大学PFCはこれらの検証作業に入る予定。あとは、どこの国が5,6年生版の印刷費を出すのかだけ。このところどこへ行っても「9年生版まではいつ完成するのか」という質問攻めです。
 教員ストの方の影響は深刻なものでした。6週間にわたって授業が行われませんでした。7月1日には各地から教員が首都へデモ行進し、テグシガルパへ入る主要幹線道がすべて占拠されました。教員側の要求は1997年フローレス大統領の時に制定された教員待遇に関わる法律の遵守です。この国の財政状況から見て、誰の目にも明らかに実現不可能な法律であることと、世銀、IMFからの圧力(債務帳消しへの前提条件としての構造調整)から、現政権は教員組合との衝突を先送りすることが出来ず、まともにやりあうこととなっています。第三者的な立場からは、平均的に年間100日程度しか授業をせず、しかも1日3時間程度しか働かないのに、中米で一番給与が高い、然るにこの上さらに待遇を上げろとは・・・。しかし一方で、大卒資格取得者の給与は普通より30%程度高く、これがゆえに現職教員の向学に対する高いモティベーションが保たれているのに、政府はそれもカットしようと。PROMETAMが乗っているPFCへの影響も深刻(修了しても給与が上がらないのではと…)。いずれにしても、新しい財源は税金に拠るしかなく、物価が上昇中。ガソリンはその最たるもので、1リッターあたり90円を超えています。
2. プロジェクト代表交代
1月末に、クラウディア次官が辞任しました。その率直過ぎる言動がさまざまに物議をかもしてきましたが、PROMETAM贔屓でプロジェクトのために力を注いでくれました。また、隊員をとてもかわいがってくれました。せめてもの感謝の気持ちに2月13日に彼女を招いて感謝会を行いました。
財務担当であるエリア次官が、クラウディア次官の担当を兼務することになったため、PROMETAMはR/D上、自動的にエリア次官を代表に迎えることとなりました。エリア次官は、教育大学の元副学長で、關谷とは個人的に繋がりもあったので、プロジェクトに支障を来たすようなことはありませんでしたが、現実的に彼女は多忙を極めているので、捕まえるのが大変です。
3.合同調整委員会
4月21日、INICEにて、教育省大臣、次官、教育大学学長、INICE所長、PFC局長、高野所長他、出席の下、初年度終了時の合同調整委員会を行いました。プロジェクトの進捗状況を確認し、第2年度の計画を討議しました。大変活発で、前向きな意見交換が行われ、ホンデュラスサイドの強い熱意が伝わってきました。
4.教材作成
4年生版の指導書と作業帳が2月後半に完成し、印刷も3月中旬にあがってきました。4年生版は3年生版までとは違い、作業帳が学習ノートのように学習の要点と基礎問題、発展問題というような構成になり、教科書のないホンジュラスで、教科書にも代わり得るものを目指しました。そして、指導書はその作業帳を使っていかに授業を展開していくか分かり易く解説されています。初期のころ「内容はすばらしいが読みづらい」といった意見もありましたが、今回は構成も非常に見やすく、「備考」や「コラム」なども組み込まれ、大変質の高い出来栄えになりました。早々大臣へ提出しましたが、手にとってご覧になった大臣は目の色が変わり、日程的に厳しいことを承知の上でも「ぜひ6年生までもPROMETAMの教材を全国配布したい」と強く希望されました。そして、この大臣のお言葉に応えるために、教育省、INICE、JICAがそれぞれ出し合う形でスタッフを増強し、土曜日も返上の臨戦態勢で望んでいます。約束どおり6月末には5年生版を仕上げ(印刷は7月後半)、現在は6年生版に取り掛かっています。木村専門家、阿部短期専門家、ローカルスタッフたちの知恵と汗の結晶です。
5.PFC修了式
2月27日、28日両日、PROMETAMが入っていたPFCコースの前期2年コース修了式がテグシガルパ本校と、サンペドロスーラで行われました。2年間がんばった学生(現職教員たち)は黒のマントを羽織り、角帽をかぶって、大変うれしそうでした。修了証書を手に、隊員をとり囲んでの記念写真はこれまでの苦労を忘れさせてくれます(PROMETAM受講者215名)。
6.指導者研修会
新規教員養成課程、PFC、現職教員研修の講師たちに対し、すでに3年生版までの研修を終えていますが、スペインのプロジェクトであるLuisLandaから、参加希望があり、5月27日から29日までの短期間ですが、3年生版までの研修を、木村専門家が行いました。そして、この報告を書いている今、4年生版の研修を実施中で、54名の参加者を集めています。仕事が増えても黙々とこなしてくださる木村専門家のひたむきさが伝わってきます。
7.短期専門家来ホ
3月6日から17日まで、国内支援委員会のメンバーである広島文教女子大学の小西先生が来てくださいました。短い期間でしたが、非常に精力的に学校回りをされ、夜も遅くまでプロジェクト内に蓄積されたデータの確認作業や意見交換を行ってくださいました。あまりのタフさに、こちら側があきれるほどでした。帰国後も早々にデータ分析を始めてくださり、大変感謝いたしております。
 それから、4月21日に阿部さんが帰ってきてくれました。今度は短期専門家のスキームで、6ヶ月間がんばってくれます。戻るや否や1日12時間を越えるほど業務に没頭され、5月は土日もまったく無休でした。本当にすみません。
8.調整員、シニア隊員赴任
1月に清水調整員が赴任されました。今や全隊員の中で完全に多数派勢力となってしまったPROMETAMとモデルプロジェクトの隊員をコーディネートされます。また、6月2日には、PROMETAM内隊員コーディネーター(ロジ面)として佐藤シニア隊員が赴任されました。実はこのお二人、ホンジュラスに来られる前にはグアテマラにて、調整員(清水さん)と隊員(佐藤さん)との間柄であったとの事、チームワークはバッチリでしょう。隊員調整業務がチーフアドバイザーから事務所側へ移り、清水調整員と佐藤シニアはまもなく開始されるPFCLicenciaturaコース研修に向けて飛び回られています。
9.本邦C/P研修
なんと17名もの研修員を、一度に、JICA筑波センターのお世話で、筑波大学を基幹受け入れ組織として実現していただきました。普通であれば、1年に3名程度の小グループをプロジェクトの実施年にわたって行うのが当たり前のところ、今回は実施効果を最優先に考えていただき、2グループ同時に。さらに、相手側教育省、教育大学から合同調整委員会にてあった追加要望まで受け入れていただき、トータル3グループ、総勢17名という大研修となってしまいました。加えて、その準備期間にはわずか2ヶ月弱という時間しかありませんでしたが、現場-JICA事務所-JICA本部-JICA筑波-筑波大学というラインが完全に一本に繋がって機能した結果でした。礒田先生、坪田先生、小林さん、神田さん、本当にありがとうございました。
10.その他イベント
・隊員送別会 3月17日浅香、馬場、伊藤、藤井田隊員、7月8日北野隊員
・PROMETAM開発教材全国配布決定イベント 5月26日
・JCPPセミナー 5月27日

隊員送別会は、いつもながら教育省、教育大学からのもてなしがうれしく、感動的です。また、それぞれのイベントが新聞記事になったりと広報的にも価値のあるイベントでした。
第2四半期予定
1.教材作成
6年生用指導書、作業帳を8月末には完成させ、印刷に回します。それをPFCが検証にかけて、大臣の希望通り行くなら、2005年の全国配布に間に合うというはずです。問題はどこが印刷費を出資するのかですが、カナダは出したがっています。我々としては、汗ひとつかかず最後の最後にお金だけ出して(うちの何分の一)、成果を半分持っていかれるのは極めて気分悪いですが。
教材班は、一息入れるまもなく、引き続き1年生から3年生版の手直しにかかります。4年生版以降のスタイルに統一する作業になります。
2.PFC後半コース開始
もともとは3月から開始されるはずであったPFCの後半コース(Licenciatura:大卒資格)ですが、諸般の理由と、教員ストの影響を受け、開催サイト、クラス数、日程の決定が遅れています。現在の予定では、7月24日からスタートの線が濃厚で、PROMETAM受け持ちサイトは、オコテペケ県:ヌエバ・オコテペケ(1)、コロン県:ソナゲラ(1)、エル・パライソ県:グイノペ(1)、ダンリ(1)、コマヤグア県:ラ・リベルタ(1)new、バジェ県:ナカオメ(2)newの予定です。PFC後半コースは参加者の自己負担にて運営されますので、年間経費が700ドルくらいかかるようで、参加者数の見極めにPFC事務局も苦慮しているようです。
隊員側の準備は、いつにもまして熱心に取り組まれています。今回のPFC後半コースでは、55時間のクラスを4回持ちますので、それぞれの内訳は、初回:授業運営、基礎学力補充、カリキュラム変更点確認など、2回目:4年生指導内容、3回目:5年生指導内容、4回目:6年生指導内容、となります。初回分はINICE教材作成班で研修教材を作っていませんので、隊員たちの手で研修用教材が作成されました。本当にご苦労様でした。
3.指導者研修会
現在、7月9日から11日まで、PFC講師、教育大学による新規教員養成の担当講師、INICE新システム教員再研修の担当講師、スペインLuisLanda講師への指導者研修、4年生版を行っています。
ここで研修を受けた講師たちは、2005年教材全国配布時の中核講師として活用されることが政府の方で検討されています。木村専門家、帰国なんかできないかもしれません。
4.中間評価
6月24日に東京とテレビ会議がもたれました。まだまだ詰めはこれからですが、国内支援委員会(礒田先生)を中心に計画を組んでいただき、9月前後に実施が考えられています。
現行体制
チーフアドバイザー 關谷 武司
算数専門家 木村専門家
教材作成 阿部 シニアボランティア
ローカルコーディネーター Diana Nunez Netka
ローカルコーディネーター 田口 太
算数コンサル Napoleon Avilar
算数コンサル Ramon Rosa(教育省より出向)
算数コンサル Luis Antonio Soto(臨時)
ITコンサル  Raul Urquia
ITコンサル Carlos Galindo(PFC傭上)
運転手兼雑務一般 Owen Valle
タイピスト Consuelo(INICEより出向)
JOCV
調整員 清水 義朝調整員
隊員コーディネーター 佐藤シニア隊員
オコテペケ地区 右田 真樹子隊員 持永 めぐみ
ソナゲラ地区 上野 美奈子隊員 石津 美華
ダンリ地区 田代 隊員 平間
グイノペ地区 佐藤 奈々隊員 名倉 那々子
ラ・リベルタ地区(新) 八巻 理香子隊員
ナカオメ地区(新) 水野 あゆみ隊員 深澤 宏美
林 大樹隊員
帰国隊員
ダンリ地区 浅香、馬場 早苗、北野隊員
ソナゲラ地区 藤井田隊員
グイノペ地区 伊藤隊員